「美しいものたち」

その美しいものを
出し惜しみながら
浪費しているもの

自らが作り上げたその美しい戦場
先人たちが残していった深い塹壕
みなが見とれてる君の青春は続く
あなたの美が永遠でない限りいつ
あの若い頃の宝は何処にあるかと
時が過ぎて尋ねることのないよう

君がだれかを愛しているなど
みんなに君は愛されているが
わたしは君を愛してはいるが
君はわたしを愛してはいない
そう思っているのだとしても
わたしには君の愛が見えない

青春というものを捨て去り
若いときに与えた血がこそ
あなた自身の美を受け継ぐ
美はそうして受け継がれて
自身を愛する人間に自由を

自然は何を望んでいるだろう

占星術も運勢術も信じなどしない
ただ私には君の未来が見えるのだ
愛するものよ真実は美と共にある
現実か今はこの世が全てか舞台か
宇宙へと続いていくものは命だけ

あの日一緒に見つめた君の永遠の夏は何処へ行った
あの春に君が見た永遠のその先には何があったのか
その冬君はわたしから離れひとり永遠を探しに行く
そして秋わたしはあなたを遥かなる永遠へ封印する
人が自ら信じたものだけを「生きる」限り者にのみ

時という魔物
まだ底にいた
大地にも飽き
こんな所まで
季節を自由に
操るがいいさ
この狭い地獄
この深い地獄

駆け抜けるは 不死鳥の翼

最も罪なるものは「不義」かもしれぬ
勝手放題自由が誘うまま行くがいいさ

餞に何を差し上げようか

太陽と月に背いて
荒れ狂う大海原と
砂塵舞うオアシス

全てが過去のものとなり
感情は薄く古ぼけていく
過去と現在と未来が曖昧
先行きは面倒でしかなく
楽しみといえば笑顔だけ

誓いたい愛の誠実は何処へ行く
守りたかったのは単なる約束か

 

 

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