ある事情を解き明かす為の実験または考察 3

さて、話の続きを始めるとしよう。

例の彼女だが、なぜ、急に、人々の嫉妬の目に晒されることになったかというと、下らない理由さ。人々は、きっかけを待っていたに過ぎないのだ。それは、どんな些細なことでもいいんだ。人間ってやつはね。そういう生き物なのさ。彼女が、どうしたかって? 石打ちにあって、最後は死んだよ。母親は、そりゃあ、嘆き悲しんださ。助けてあげられなかった自分を責め、後を追い最後は結局、崖の上から身を投げた。無力なものさ。そんなことは、どうでもいい。大切なのは、嫉妬という感情という感情なんだ。人は、嫉妬という感情を表には、出さないものさ。普段はね。何故なら、嫉妬している自分は醜いということだけは、解っているのだ。気付かないふりをしてね。だが、ひとたび、その相手を誰かが攻撃始めると、まずは、まずは、観察するんだな。そして、また、ひとり、ひとりと攻撃に加わると後は、そこに加わればいい。大勢の中のひとりとしてね。話が、長くなったが、ここで、思いだしてもらいたのが、人類最初の殺人なんだ。とにかく、嫉妬という感情は、やっかいだってことさ。自分が、自覚していなければ、していないほどね。人を殺すほどの衝動が、突然、湧き出てくるんだから」

 

                            つづく

 

過去作は、こちらに遺します。https://note.com/ofjt27