魚心あれば水心1

昔、彼とは、夜を徹して他愛のない話をしたものだった。

そんな中で、ふと彼が言った。

「地球は、どうやってできたと思う?」

「さあな」俺は答えた。

「創世記は、読んだことないか?」

「無いな」

「簡単に言うと、一日目に夜と昼を創り、二日目に空を創り、三日目に陸ができ、植物もこの日にできた。そして、四日目に、太陽と月、星々。おかしいな。。。。

太陽と月は、地球よりも先だよな?」

「ああ。そうに決まってるじゃないか。大丈夫か?」

「ああ、頭がこんがらがってきた」

「おいおい。大丈夫か?」

「いや、話そうとしたのはな。恐竜時代は何日目になるのかということを聞こうとしたんだけど。七日目は、休みだし、五日目は、水の生き物と空の生き物だから、答えは六日目だ。ありがとう。わかった。それより、問題は、太陽と月だな。」

「問題にしなくていいよ。どちらでもいいじゃないか。今、そこにあるんだから」

「そうか? 知りたくないか?」

「知りたいのは、明日の試験の解答だ」

「それも、そうだ」

 

俺は、歩きながら、彼が、その答えを見つけたのか、気にもなってきた。それは、あれから、俺が年を重ね。今回、仕事を失ったことと、この照り付ける暑さのせいだろう。ただ、先を急がないと。

飛行機の時間に間に合わない。

いつか、彼に聞いてみよう。

ネットで、調べてみるか。

過去作は、こちらに遺します。https://note.com/ofjt27